HOME > エネルギー管理研修修了試験 > 2006年(平成18年) 電気機器 問8(2)
変圧器の全損失は無負荷損と負荷損とから成る。 無負荷損は負荷の大きさに関係なく一定であり、その大部分は[10]である。 負荷損は負荷電流の2乗に比例して増減し、その大部分は[11]である。 油入変圧器の規約効率の算定においては、 変圧器の巻線温度が[12]℃にあるものとして負荷損の補正を行う。 変圧器の効率は無負荷損と負荷損が等しくなる負荷点において最大となる。 最近の変圧器は損失の少ない鉄心材料を使用しているため無負荷損が減少し、 最大効率の負荷点が軽負荷側に移行する傾向にある。
油入変圧器のエネルギー消費効率Pm[W]は、 定められた基準負荷率における変圧器の[13]であり、 次式によって算出される(JIS C 4304:2005による)。
\[P_m=P_i+(\frac{m}{100})^2×P_{R75}\]ここで、Pi[W]は無負荷損、m[%]は基準負荷率で、 変圧器の定格容量が500kVA以下の場合は40%, 500kVA超過の場合は50%、P_R75[W]は基準巻線温度に補正した定格容量に対する[14]である。
定格容量200kVAの三相変圧器があり、定格容量に等しい出力(力率1)における 変圧器の効率98.6%、エネルギー消費効率が757Wであるとき、 この変圧器の無負荷損はA[W]であり、定格容量に等しい出力時の負荷損は[B][W]となる。
【解答と解説】
[10]…鉄損
[11]…銅損
[12]…75℃
[13]…全損失
[14]…負荷損
A,B
エネルギー消費効率Pmは757Wで、 基準巻線温度75℃に補正した定格容量に対する負荷損Pc=P_{R75}より、
\[P_i+(\frac{m}{100})^2×P_c=757W\]基準負荷率は、定格容量200kVAの三相変圧器であることから、
\[基準負荷率m[%]=40%\] \[P_i+(\frac{40}{100})^2×P_c=757W\]変圧器の効率η=98.6%であることから、定格容量に等しい出力(力率1)でα=1、
\[η=\frac{出力}{出力+\frac{鉄損}{α}+α銅損}=\frac{20kVA}{20kVA+Pi+Pc}=0.986\] \[P_i=0.3603kW=360.3W…A\] \[P_c=2.749kW=2749W…B\]