HOME > 電気管理研修修了試験 > 平成16年 電気機器 問7(1)
同期機や誘導機のような交流機の同期速度ns[min-1]は、電源周波数をf[Hz]とすれば 、
\[n_s=[1]×\frac{f}{極数}\]で表される。負荷を負って運転している同期電動機の回転速度は、負荷の大きさにかかわらず 同期速度に等しいが、かご形誘導電動機の回転速度n[min-1]は、滑りをsとすれば、
\[n=n_s×[2]\]となる。すなわち、かご形誘導電動機では、負荷の大きさによって滑りが変わり回転速度が 変化するが、通常の運転範囲では速度の変動率は小さい。
同期電動機やかご形誘導電動機は、一般には定速度電動機として用いられるが、[3]などにより 電源周波数を変化させれば、速度制御を行うことができる。例えば、電源周波数50Hzで運転している 8極の三相同期電動機で、電源周波数を40Hzに変更した場合、回転速度は[4][min-1]となる。 また、電源周波数50Hzで滑りが3%で運転している8極の三相かご形誘導電動機では、電源周波数を 40Hzに変更した場合、滑り周波数を一定とすれば回転速度は[5][min-1]となる。
同期電動機では、[6]電流を調整することによりよって、負荷の大きさに運転力率を任意 に制御することができるが、かご形誘導電動機では、運転力率は負荷の大きさによって定まり、無負荷 に近づくほど[7]くなる。誘導電動機で構成される負荷群に同期電動機を並列に接続し、これを [8]力率で運転すれば、電源側から見た総合力率が改善されて省エネルギー効果が得られる。
【解答と解説】
1…120
\[n_s=[120]×\frac{f}{極数}…1\]2…(1-s)
\[n=n_s×[(1-s)]…2\]3…インバータ、周波数変換器など
4…600
同期回転速度
\[n_s=\frac{120f}{p}=\frac{120・40}{8}=600min^{-1}…4\]5…578
回転速度
\[n=\frac{120f}{p}(1-s)=\frac{120・50}{8}(1-0.03)=727.5min^{-1}…4\]滑り周波数(回転子巻線に流れる電流の周波数)
\[f・s=50Hz・0.03=1.5Hz\]40Hzに変更し、滑り周波数を一定とするとき、
\[f'・s'=40Hz・s'=1.5Hz\] \[s'=1.5Hz/40Hz=0.0375\]回転速度
\[n'=\frac{120f'}{p}(1-s')=\frac{120・40}{8}(1-0.0375)=577.5min^{-1}…5\]6…界磁
7…悪、低など
8…進み