HOME > エネルギー管理士試験 > 令和5年 電気機器 問10(3)
定格出力が 15 kW,定格周波数が 50 Hz で 4 極の三相かご形誘導電動機があり, 定格回転速度が 1440 min-1,定格運転時の効率が 88.5 % である。 この電動機の負荷損は全て銅損であるものとし,一次銅損と二次銅損は常に等しいものとする。 ただし,円周率 π = 3.14 とする。
1) この電動機の定格出力時における滑りsは A [%] である。 また,このときのトルクは B [N·m] である。
2) この電動機の定格出力時の二次銅損は滑りと定格出力から算出でき,C [W] となる。
3) 定格負荷時の効率が 88.5 % なので,固定損と銅損の合計は D [W] となる。
4) 一次銅損と二次銅損は等しいとしているので,固定損は E [W] となる。
【解答と解説】
1)
A
回転速度は、
\[回転速度Nmin^{-1}=\frac{60f(1-s)}{p/2}=\frac{120f(1-s)}{p}\] \[1440 min^{-1}=\frac{120・50Hz・(1-s)}{4極}\] \[1-s=\frac{1440}{(120/4)・50}=\frac{1440}{1500}=0.96\] \[s=0.04=4.0%…A\]B
出力は、
\[P=ωT=2π・(1440/60)・T\]トルクは、
\[T=\frac{P}{ω}=\frac{P}{2π・(1440/60)}=\frac{15kW}{2π・(1440/60)}=99.52N·m…B\]2)
C
\[出力P=3(\frac{1}{s}-1)r_2I_2^2=3(\frac{1}{0.04}-1)r_2I_2^2=3・24・r_2I_2^2=15kW\] \[二次銅損P_c=3r_2I_2^2=15kW・\frac{1}{24}=625W …C\]3)
D
効率は、
\[効率η=\frac{出力}{出力+固定損(鉄損)+一次銅損+二次銅損}\] \[88.5%=\frac{15kW}{15kW+固定損(鉄損)+一次銅損+二次銅損}\] \[固定損(鉄損)+一次銅損+二次銅損=\frac{15kW}{88.5%}-15kW=1949W…D\]4)
E
\[固定損(鉄損)+一次銅損+二次銅損=固定損(鉄損)+625W+625W=1949W\] \[固定損(鉄損)=699W…E\]