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三相3線式2回線配電線 - エネルギー管理士試験 2009年(平成21年) 工場配電 問8(2)

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図のような三相3線式2回線の、常時開路のループ状の配電線(図の開閉器Sは開放した状態)がある。 回線I及び回線IIの長さはいずれも1kmとし、電線1条当たりの抵抗は0.3Ω/kmで、 線路インピーダンスは各回線とも平衡しているものとする。 両回線の末端には二つの工場があり、1相当たりの負荷電流は、回線Iが100A(力率100%)、 回線IIが80-j60A(力率80%)である。

負荷電流は三相平衡の定電流特性を有するとしたとき、回線Iの線路損失は9kW、 回線IIの線路損失は[A]kWとなる。

次に、開閉器Sを投入してループ運転を行った場合、開閉器Sを流れる電流の大きさは 定常状態では[B]Aとなる。このときの回線I及び回線IIの線路損失の合計値は、 開閉器Sを投入する前に比べて[C]倍となる。

【解答と解説】

A

\[百分率抵抗降下%p=\frac{P_c}{3V_nI_n}=\frac{3rI_n^2}{3V_nI_n}\] \[線路損失=3rI^2=0.3Ω/km・1km・(|80-j60|A)^2\] \[=3・0.3・1・100^2=9,000W=9kW…A\]

B

\[3V_1I_1=\frac{V}{\sqrt{3}}・100 \] \[3V_2I_2=\frac{V}{\sqrt{3}}・(80-j60)=\frac{V}{\sqrt{3}}・80-j\frac{V}{\sqrt{3}}・60\]

回線I、回線IIの合計は、

\[3V_1I_1+3V_2I_2=\frac{V}{\sqrt{3}}・180-j\frac{V}{\sqrt{3}}・60\]

回線I、回線IIに等分に流れ、

\[\frac{3V_1I_1+3V_2I_2}{2}=\frac{V}{\sqrt{3}}・90-j\frac{V}{\sqrt{3}}・30\]

開閉器Sを流れる電流は、

\[\frac{3V_1I_1+3V_2I_2}{2}-3V_1I_1=-\frac{V}{\sqrt{3}}・10-j\frac{V}{\sqrt{3}}・30\] \[\frac{3V_1I_1+3V_2I_2}{2}-3V_2I_2=\frac{V}{\sqrt{3}}・10+j\frac{V}{\sqrt{3}}・30\] \[|\frac{3V_1I_1+3V_2I_2}{2}-3V_1I_1|=\frac{V}{\sqrt{3}}・10\sqrt{10}\] \[|\frac{3V_1I_1+3V_2I_2}{2}-3V_2I_2|=\frac{V}{\sqrt{3}}・10\sqrt{10}\]

開閉器Sを流れる電流の大きさは10√10 A。…B

C

【参考:数式処理システムMAXIMAによる電流をプロットした結果】

maxima maxima_eneshiken-kiki-haiden-2009