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三相変圧器 - エネルギー管理士試験 2013年(平成25年) 電気機器 問9(2)

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定格容量500kVA、定格一次電圧6600V、定格二次電圧210Vの三相変圧器がある。 この変圧器の無負荷試験を行ったところ、損失は850Wであった。 また、力率1.0で、定格容量の25%負荷時の効率η25と、定格容量の75%負荷時の 効率η75が等しくなった。これらの条件から、力率1.0で定格容量の100%負荷時の 負荷損Pcを算出すると、次のようになる。

\[P_c=[A a.bc]kW\]

したがって、この変圧器を力率1.0で、定格容量の100%負荷で運転したときの 効率は[B ab.cd]%となる。また、この変圧器が最大効率となるのは、 定格容量の[C ab.c]%で運転したときである。

この変圧器に力率0.6(遅れ)の負荷を接続すると、最大効率となるのは 負荷が[D abc]kWのときであり、このとき効率は[E ab.cd]%となる。

【解答と解説】

A

\[効率=\frac{定格出力}{定格出力+\frac{無負荷損}{α}+α負荷損}=\frac{3V_nI_ncosθ}{3V_nI_ncosθ+\frac{P_i}{α}+αP_c}\]

定格容量の25%負荷時の効率と、定格容量の75%負荷時の 効率が等しいことから、

\[3V_nI_ncosθ+\frac{P_i}{0.25}+0.25・P_c=3V_nI_ncosθ+\frac{P_i}{0.75}+0.75・P_c\] \[\frac{P_i}{0.25}+0.25・P_c=\frac{P_i}{0.75}+0.75・P_c\] \[0.75・P_i+(0.25)^2・0.75・P_c=0.25・P_i+0.25・(0.75)^2・P_c\] \[(0.75-0.25)・P_i=(0.25・(0.75)^2-(0.25)^2・0.75)・P_c\] 無負荷試験時の損失850Wから、 \[P_i=850W\] \[P_c=\frac{0.75-0.25}{0.25・(0.75)^2-(0.25)^2・0.75}・850W=4533.3→4.53kW…A\]

B

\[効率=\frac{定格出力}{定格出力+\frac{無負荷損}{α}+α負荷損}=\frac{3V_nI_ncosθ}{3V_nI_ncosθ+\frac{P_i}{α}+αP_c}\] \[=\frac{500kVA・1}{500kVA・1+\frac{0.85kW}{1}+1・4.5333kW}=0.98934=98.93%…B\]

C

効率が最大のとき、 \[\frac{P_i}{α}=αP_c\] より、 \[α=\sqrt{\frac{P_i}{P_c}}=\sqrt{\frac{0.85kW}{4.5333kW}}=0.43301→43.3%…C\]

D

\[出力=α・3V_nI_ncosθ=0.43301・500kVA・0.6=129.90kW→130kW…D\]

E

\[効率=\frac{出力}{出力+\frac{無負荷損}{α}+α負荷損}=\frac{3V_nI_ncosθ}{3V_nI_ncosθ+\frac{P_i}{α}+αP_c}\] \[=\frac{500kVA・0.6}{500kVA・0.6+\frac{0.85kW}{0.43301}+0.43301・4.5333kW}=0.98708→98.71%…E\]

【参考:数式処理MAXIMAにより負荷率と効率の関係をプロットする。】

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