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単相変圧器、効率 - エネルギー管理士試験 2012年(平成24年) 電気機器 問9(2)

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定格一次電圧6600V、定格二次電圧210V、定格容量300kVA、定格周波数50Hzの単相変圧器があり、 一次巻線抵抗0.3Ω、二次巻線抵抗0.0012Ωである。 この変圧器の二次側を開放して無負荷試験を行ったところ、一次側に 1.1A、力率0.04(遅れ)の電流が流れた。この無負荷試験結果から、この変圧器の 無負荷損は[A a.b×10^2]Wとなる。この無負荷損のうち、一次巻線抵抗による 損失は0.363Wと計算されるので、計測された損失の大半が鉄損である。 この変圧器に定格容量の負荷を接続したときの負荷損は[B a.bc]×10^3Wとなるので、 力率1.0で定格容量の負荷を接続したときの効率は[C ab.c]%となる。

この変圧器が最大効率となるのは[D ab.c]%負荷のときである。

【解答と解説】

A

\[無負荷損=VIcosθ=6600V・1.1A・0.04=290.4=2.9×10^2W…A\]

B

\[百分率抵抗降下%p=\frac{P_s}{V_nI_n}=\frac{rI_n^2}{V_nI_n}=\frac{0.3・(\frac{300kVA}{6600V})^2+0.0012・(\frac{300kVA}{210V})^2}{300kVA}\] \[負荷損P_c=%p・V_nI_n=0.3・(\frac{300kVA}{6600V})^2+0.0012・(\frac{300kVA}{210V})^2=3.0688kW→3.07×10^3W…B\]

C

\[効率=\frac{出力}{出力+\frac{無負荷損}{α}+α負荷損}=\frac{V_nI_ncosθ}{V_nI_ncosθ+\frac{P_i}{α}+αP_c}\] \[=\frac{300kVA・1}{300kVA・1+\frac{P_i}{1}+1・P_c}=\frac{300kW}{300kW+0.2904kW+3.0688kW}=0.98893→98.9%…C\]

D

効率が最大となるとき、

\[\frac{P_i}{α}=αP_c\] \[α^2=\frac{P_i}{P_c}\] \[α=\sqrt{\frac{P_i}{P_c}}=\sqrt{\frac{0.2904kW}{3.0688kW}}=0.30762→30.8%…D\]

【参考:数式処理MAXIMAにより負荷率と効率の関係をプロットする。】

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