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単相変圧器 - エネルギー管理士試験 2011年(平成23年度) 電気機器 問9(2)

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一次側電圧6600V、二次側電圧210Vの単相変圧器の無負荷試験と短絡試験を行い、次の結果を得た。

無負荷試験結果:一次側電圧6,600V,一次側電流0.053A,一次側入力電力36W

短絡試験結果:一次側供給電圧165V,一次側電流1.515A,一次側入力電力168W

これらの試験結果から、この変圧器に定格容量の50%容量の負荷を接続したときの全損失(無負荷損+負荷損)は[A ab]Wである。 また、この変圧器の定格容量基準の短絡インピーダンスは[B a.b]%であり、これは 短絡試験時に供給した電圧値と、そのとき得られた電流値との関係から、 一次換算のオーム値で[C abc.d]Ωとなる。一方、短絡試験時の損失から、 一次換算の巻線抵抗は[D ab.c]Ωと計算されるので、一次換算換算漏れリアクタンスは80.65Ωとなる。 これらの数値から、この変圧器に、定格容量と同じ容量で力率が0.8の負荷を接続したとき、 簡略式を用いた電圧変動率εは[E a.bc]%と計算される。

【解答と解説】

A

\[無負荷損=36W\] \[銅損=α^2P_c=α^2rI_n^2=α^2・168W\] \[無負荷損+銅損=P_i+α^2P_c=36W+0.5^2・168W=78W…A\]

B

\[短絡インピーダンス%Z=\frac{V_{1s}I_{1n}}{V_{1n}I_{1n}}=\frac{V_{2s}I_{2n}}{V_{2n}I_{2n}}=\frac{165V}{6600V}=0.025→2.5%…B\]

C

短絡試験時、短絡し定格電流を流すことから、インピーダンスは、 \[Z=\frac{V_1s}{I_1s}=\frac{V_1s}{I_1n}=\frac{165V}{1.515A}=108.91→108.9Ω…C\]

D

短絡試験時、短絡し定格電流を流すことから、銅損は、 \[銅損P_c=rI_{1s}^2=rI_{1n}^2\] \[r=\frac{P_c}{I_{1n}^2}=\frac{168W}{(1.515A)^2}=73.195→73.2Ω…D\]

一次換算換算漏れリアクタンスは

\[Z^2=r^2+x^2\]

より

\[x=\sqrt{Z^2-r^2}=\sqrt{108.91^2-73.195^2}=80.65Ω\]

E

\[Z=108.9Ω(=\frac{V_{1s}}{I_{1n}}=\frac{V_{1s}I_{1n}}{I_{1n}^2}) 短絡インピーダンス %Z=0.025=2.5%(=\frac{V_{1s}I_{1n}}{V_{1n}I_{1n}}=\frac{ZI_{1n}}{V_{1n}})\] \[巻線抵抗r=73.2Ω(=\frac{P_c}{I_{1n}^2}) 百分率抵抗降下 %p=0.0168=1.68%(=\frac{P_c}{V_{1n}I_{1n}}=\frac{rI_{1n}}{V_{1n}})\] \[漏れリアクタンスx=80.65Ω 百分率リアクタンス降下%q=0.0185=1.85%(=\frac{xI_{1n}}{V_{1n}})\]

電圧変動率ε%は、

\[ε=%p・cosθ+%q・sinθ=0.0168・0.8+0.0185・0.6=0.024549→2.45%…E\]

【参考:数式処理MAXIMAによるベクトル図をプロットした結果】

maxima ベクトル図 maxima_eneshiken-kiki-kiki9-2011