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三相変圧器の電圧変動率 - エネルギー管理士試験 2010年(平成22年) 電気機器 問9(3)

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maxima

定格容量1500kVA、電圧比6600V/210Vの三相変圧器があり、高圧側を短絡し、 低圧側から交流電圧10.92Vを印加したとき低圧側が定格電流となった。 また、このとき低圧側で測定された有効電力の値は11.85kWであった。

定格容量基準での短絡インピーダンスは、一方の巻線を短絡し、定格電流を 流すように他方の巻線に印加した電圧を定格電圧で除した値を百分率で表したもので、 前述の測定結果を用いて[A a.b]%と計算される。ここで、 百分率抵抗降下pは、短絡インピーダンス中の抵抗分で、定格容量に対する 損失値として表されるので、[B a.b]×10^-1%となる。したがって、 百分率リアクタンス降下qは[C a.bc]%となるので、遅れ力率0.8の負荷を接続として、 定格容量で運転したときの電圧変動率εは簡略式を用いて[D a.bc]%となる。

【解答と解説】

A

\[短絡インピーダンスz≡\frac{3V_sI_n}{3V_nI_n}=\frac{10.92V}{210V}=0.052→5.2%…A\]

B

\[百分率抵抗降下p≡\frac{P_s}{3V_nI_n}(=\frac{P_c}{3V_nI_n})=\frac{11.85kW}{1500VA}=0.0079→0.79%→7.9×10^{-1}%…B\]

C

\[z=\sqrt{p^2+q^2}\] より \[百分率リアクタンス降下q=\sqrt{z^2-p^2}=\sqrt{0.052^2-0.0079^2}=0.05139→5.14%…C\]

D

\[電圧変動率ε≒pcosθ+qsinθ=0.0079・0.8+0.05139・0.6=0.03715→3.72%…D\]

【参考:数式処理MAXIMAによるベクトル図をプロットした結果】

maxima ベクトル図 maxima_eneshiken-kiki-2010