4.8.23

三相変圧器の無負荷損、負荷損 - エネルギー管理士試験 2009年(平成21年) 電気機器 問9(3)

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次の文章の[A abcd]~[E ab.cd]に当てはまる数値を計算し、その結果を答えよ。 ただし、解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。

定格容量200kVA、定格一次電圧6600V、定格二次電圧210Vの三相変圧器に、 この定格容量に等しく、力率1の平衡三相負荷を接続したときの効率が 98.5%であった。また、定格容量の40%で力率1の平衡三相負荷を接続したときに 最大効率となった。これら二つの効率条件から、無負荷損Pi[W]、 定格容量時の負荷損Pc[W]は次のように計算される。

①定格容量(100%)で力率1の負荷を接続したときの効率条件より次式が成立する。

\[P_i+P_c=[A abcd][W]\]

②定格容量の40%で力率1の負荷を接続したとき最大効率となる条件より 次式が成立する。

\[P_i=([B a.b]×10^{-1})×P_c[W]\]

以上の二つの条件式より

\[P_i=[C abc.d][W]\] \[P_c=[D abcd][W]\]

となる。

また、最大効率ηmの値は[E ab.cd][%]となる。

【解答と解説】

変圧器

A

\[効率=\frac{出力}{出力+損失} =\frac{α3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ}{α3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ+P_i+α^2P_c} =\frac{3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ}{3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ+\frac{P_i}{α}+αP_c}\] \[\frac{200kW}{200kW+\frac{P_i}{1}+1・P_c}=0.985\] \[\frac{P_i}{1}+1・P_c=\frac{200kW}{0.985}-200kW=3.0456kW=3046W...A\]

B

\[効率 =\frac{3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ}{3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ+\frac{P_i}{0.4}+0.4・P_c}=最大\] \[\frac{P_i}{0.4}+0.4・P_c=最小\] \[\frac{P_i}{0.4}=0.4・P_c\] \[P_i=0.4^2・P_c=0.16・P_c=(1.6×10^{-1})×P_c[W]...B\]

C

\[P_i+P_c=\frac{200kW}{0.985}-200kW=3.0456kW=3045.6W\] \[(1+\frac{1}{0.4^2})・P_i=(\frac{1}{0.985}-1)・200kW=3.0456kW=3045.6W\] \[P_i=420.1W…C\]

D

\[P_c=\frac{P_i}{0.4^2}=2625.5W…D\]

E

最大効率は、

\[最大効率η_m=\frac{3\frac{V}{3}Icosθ}{3\frac{V}{\sqrt{3}}Icosθ+\frac{P_i}{0.4}+0.4・P_c} =\frac{200・1}{200・1+\frac{3045.6}{0.4}+0.4・2625.5}=98.96%…E\]

【参考:MAXIMAにより負荷率と効率の関係をプロットする。】

maxima maxima_eneshiken-kiki-kiki9-3-2009