7.5.22

電力用コンデンサによる力率改善 電験2種1996年(平成7年)

maxima

【電力用コンデンサによる力率改善】

A変電所からB変電所に電力を送る送電線において、 A変電所からの送電端電圧Vsを67kVに維持した運用をしている。 負荷が30000kW(遅れ力率)であるB変電所において、 電力用コンデンサを投入して受電端の電圧Vrを65kVから66kVに改善したい。 必要なコンデンサ容量を求めよ。 ただし、送電線のこう長が非常に短く、そのインピーダンスZは2+j6Ωとする。

【解答と解説】

\[\dot{I}=\frac{\frac{1}{\sqrt{3}}\dot{V_s}-\frac{1}{\sqrt{3}}\dot{V_r}}{\dot{Z}} =\frac{\frac{1}{\sqrt{3}}V_s e^{jδ}-\frac{1}{\sqrt{3}}V_r}{Ze^{jφ}}\] \[P_r-jQ_r=3\frac{1}{\sqrt{3}}\bar{\dot{V_r}}\dot{I} =\sqrt{3}V_rIe^{-jθ}=\sqrt{3}V_rI(cosθ-jsinθ)\] \[P_r=\frac{V_sV_r}{Z}cos(δ-φ)-\frac{V_r^2}{Z}cosφ\] \[Q_r=\frac{V_sV_r}{Z}sin(δ-φ)-\frac{V_r^2}{Z}sinφ\] \[(P_r+\frac{V_r^2}{Z}cosφ)^2+(Q_r+\frac{V_r^2}{Z}sinφ)^2=(\frac{V_sV_r}{Z})^2\] \[(P_r+\frac{RV_r^2}{Z^2})^2+(Q_r+\frac{XV_r^2}{Z^2})^2=(\frac{V_sV_r}{Z})^2\]

コンデンサ投入前、Vr=65kVにおいて、

\[Q_r=11.2Mvar\]

Vr=66kVにおいて、

\[Q_r=0.4Mvar\]

必要なコンデンサ容量は、

\[Q_c=11.2-0.4Mvar=10.8Mvar\]