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コンデンサ設備、直列リアクトル - エネルギー管理研修修了試験 2006年(平成18年) 工場配電 問7(1)

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エネルギー管理士試験

工場配電系統に接続される負荷の力率が悪い場合には、通常、 負荷と並列にコンデンサ設備を接続して力率の改善を図る。コンデンサ設備を接続することにより、 [1]の低減、[2]の低減及び[3]の改善などの効果が得られる。

コンデンサ設備が大容量になれば、コンデンサ投入時の[4]を抑制する目的で、 コンデンサに直列リアクトルを接続する。この投入時の電流は、 コンデンサリアクタンスと、コンデンサから電源側を見た回路リアクタンスにより決定される。

基本周波数fに対して、直列リアクトルのリアクタンス

\[X_L=2πfL、L:インダクタンス\]

は、通常、コンデンサリアクタンス

\[X_C=\frac{1}{2πfC}、C:キャパシタンス\]

の6%程度が選定される。例えば、XLをXCの5.66%に選定したとすれば、

\[\frac{X_C}{X_L}=[A]\]

となるので、この条件での直列リアクトル付きコンデンサ設備の固有周波数 (リアクトルとコンデンサの共振周波数=1/2π√LC)は基本周波数の[B]倍となる。 具体的には、50Hz系で[C][Hz]、60Hz系で[D][Hz]となる。

このような条件で直列リアクトルを選ぶと、 系統電圧ひずみの主要な高調波次数である[5]調波の電流成分が吸収されやすくなるので、 系統電圧の波形改善にも役立つことになる。

【解答と解説】

[1]…無効電力の低減

[2]…電力損失の低減

[3]…系統電圧の改善

[4]…突入電流

[5]…第5高調波

A

\[\frac{X_L}{X_C}=0.0566\] \[\frac{X_C}{X_L}=\frac{1}{0.0566}=17.66…A\]

B、C、D

\[Z_C=\frac{1}{jωC}\] \[|Z_C|=\frac{1}{ωC}=\frac{1}{2πfC}=X_C\] \[Z_L=jωL\] \[|Z_L|=ωL=2πfL=X_L\] \[共振周波数f_0=\frac{1}{2π\sqrt{LC}}=\frac{1}{2π\sqrt{\frac{X_L}{2πf}・\frac{1}{2πfX_C}}} =f\sqrt{\frac{X_C}{X_L}}=\sqrt{17.66}f=4.202f…4.20倍B\] \[50Hz・4.202=210Hz…C\] \[60Hz・4.202=252Hz…D\]