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進相コンデンサによる力率改善、電力損失改善 - エネルギー管理士試験 2006年(平成18年) 工場配電 問8(5)

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エネルギー管理士試験

変電所から三相三線式高圧配電線で供給されている三相平衝負荷がある。 この負荷は、力率が遅れ80%、電流が150Aの定電流負荷である。 この負荷に並列コンデンサを接続して力率を100%にした場合、 線路全体で低減する電力損失は[A]kWである。 ただし、線路1線当たりの抵抗は0.7Ωとする。

【解答と解説】

A

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コンデンサ接続前と後の電流は、

\[|I|=150A、3VI=3|V|・|120-j90A|=P/cosθ=P/0.8\] \[|I'|=120A、3VI'=3|V|・|120-j0A|=P/cosθ'=P/1.0\]

コンデンサ接続前と後の電力損失は、

\[コンデンサ接続前の電力損失=3rI^2=3r・\frac{1}{3|V|}\frac{P}{cosθ} =3・0.7・150A^2=47250W\] \[コンデンサ接続後の電力損失=3rI'^2=3r・\frac{1}{3|V|}\frac{P}{cosθ'}= 3・0.7・120A^2=30240W\]

コンデンサ接続前と後の電力損失の比は、

\[\frac{コンデンサ接続後の電力損失}{コンデンサ接続前の電力損失}=\frac{3r・(\frac{1}{3|V|}\frac{P}{cosθ'})^2}{3r・(\frac{1}{3|V|}\frac{P}{cosθ})^2}=\frac{cosθ^2}{cosθ'^2}=\frac{0.8^2}{1^2}=0.64\]

低減する電力損失は、

\[低減する電力損失=47250W・(1-0.64)=17.01kW…A\]