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変圧器の並行運転 - エネルギー管理士試験 2019年(令和元年) 工場配電 問8(3)

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図に示すような結線でA、B2台の変圧器が、P1及びP2なる負荷に電力を供給している。 ここで、負荷P1は6300kWで力率90%(遅れ)、負荷P2は4800kWで力率80%(遅れ)である。 また、変圧器A、Bの諸元は表のとおりである。ここで、短絡インピーダンスは各変圧器の定格容量基準の値とする。

特性 定格容量 [kVA] 短絡インピーダンス [%] 無負荷損 [kW] 定格時の負荷損 [kW]
A 10 000 8.0 16 60
B 7 500 7.5 15 53

1)スイッチSWを開いて変圧器A、Bをそれぞれ単独で運転したとき、変圧器Aの損失は[A]kWとなる。 また、変圧器Bの損失は[B]kWとなる。

2)スイッチSWを閉じて変圧器A、Bを並行運転したとき、合計損失は[C]kWとなり、 それぞれを単独運転したときの損失の合計よりも損失は小さくなる。 また、並行運転時の総合効率は[D]%となる。

【解答と解説】

1)

A

\[P_{iA}+α_A^2P_{cA}=16kW+(\frac{6300/0.9}{10000})^2・60kW=45.4kW…A\]

B

\[P_{iB}+α_A^2P_{cB}=15kW+(\frac{4800/0.8}{7500})^2・53kW=48.9kW…B\]

2)

C

\[3VI_A=6300-j7000\sqrt{1-0.9^2}=6300kW-j3051.22kvar\] \[3VI_B=4800-j6000\sqrt{1-0.8^2}=4800kW-j3600kvar\] \[3VI_A+3VI_B=11100kW-j6651.22kvar\] \[3VI=|3VI_A+3VI_B|=|11100-j6651.22|=12940.198kVA\]

スイッチSWを閉じたとき、

\[3VI'_A=3VI・\frac{\frac{1}{Z_A}}{\frac{1}{Z_A}+\frac{1}{Z_B}} =3VI・\frac{\frac{3VI_A}{%Z_A}}{\frac{3VI_A}{%Z_A}+\frac{3VI_B}{%Z_B}}\] \[ =12940.198kVA・\frac{125000}{125000+100000}=7188.9989kVA\] \[3VI'_B=3VI・\frac{\frac{1}{Z_B}}{\frac{1}{Z_A}+\frac{1}{Z_B}} =3VI・\frac{\frac{3VI_B}{%Z_B}}{\frac{3VI_A}{%Z_A}+\frac{3VI_B}{%Z_B}}\] \[ =12940.198kVA・\frac{100000}{125000+100000}=5751.1991kVA\] \[P_{iA}+α_{A}^{'2}P_{cA}=16kW+(\frac{7188.9989}{10000})^2・60kW=47.01kW\] \[P_{iB}+α_{B}^{'2}P_{cB}=15kW+(\frac{5751.1991}{7500})^2・53kW=46.16kW\] \[合計損失=93.2kW…C\]

【参考:数式処理システムMAXIMAによる三相皮相電力3VIをプロットした結果】

maxima maxima_eneshiken-kiki-haiden-2019